
Fate/Zero #12の視聴感想です。
戦況分析。
適格者。
拠点移転。
体調不良。
令呪贈与。
言峰綺礼……貴様は何者だ?
■スタッフ
原作:虚淵玄(ニトロプラス)・TYPE-MOON/監督:あおきえい/キャラクター原案:武内崇/キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦/色彩設計:千葉絵美/美術監督:衛藤功二/撮影監督:寺尾優一/3D監督:宍戸幸次郎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:ufotable
■キャスト
衛宮切嗣:小山力也/セイバー:川澄綾子/アイリスフィール:大原さやか/遠坂時臣:速水奨/アーチャー:関智一/言峰綺礼:中田譲治/アサシン:阿部彬名/ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:山崎たくみ/ランサー:緑川光/ウェイバー・ベルベット:浪川大輔/ライダー:大塚明夫/雨生龍之介:石田彰/キャスター:鶴岡聡/間桐雁夜:新垣樽助/バーサーカー:置鮎龍太郎
■OP&ED
OP:『oath sign』LiSA
ED:『MEMORIA』藍井エイル

■アバン
ライダーが使用した宝具はアーチャーの“王の財宝”と同格のモノ。
アサシンを使い潰しての情報収集は当初の目論見どおりとはいえ、流石にこの結果はあまりに予想外でしょう。
時臣はそれでも『余裕を持って優雅たれ』のもと、出来過ぎた弟子・綺礼に労いの言葉。
さて…そう上手いこといくかねぇ……遠坂の呪いともいえるうっかり属性を舐めんな!(マテ

■Aパート
セイバーフルボッコだった酒盛りの報告等を舞弥から電話連絡を受けた切嗣。
状況からアサシン完全消滅の推測と御伽の城に代わる新拠点の用意。どうやら舞弥も戦線復帰できたようですね。
切嗣は、これまでの戦況と情報を分析し各陣営の状況を把握していく。
アーチャー――
最初の茶番以来時臣の積極参加はなし。不気味な沈黙ともいえる。
ただし、アーチャーは気紛れのように顔を出し、雑種の戯れを楽しんでおりますがね(笑
バーサーカー――
間桐のマスターへの襲撃は容易に思える。
しかし、サーヴァントの能力があまりに不気味であり、アーチャーに対しては有用。泳がせるべきか……
ランサー――
エルメロイは再起不能。しかし脱落はしておらず新たなマスターの正体を確認が急務。
キャスター――
事件の沈静化には至らず。監督役の策も無意味のままに。
ライダー――
飛行宝具による高速移動の為追跡困難。
豪放に見えて隙のない強敵。そして強大な宝具への対策……
アサシン――
酒盛りのついでに見せたライダーの宝具により殲滅確実。
しかし気になるのはサーヴァントよりもマスターの存在。
言峰綺礼――
意図の理解出来ない聖杯戦争の異物。
標的を自分(切嗣)と仮定したときのみ、納得がいく意味不明な行動の数々。
教会の保護という策を反故にするほどに標的とした意味は?
やはり切嗣も自分のこととなると推測・判断が揺らぐみたいですね。

綺礼が自室に戻るとアーチャーがご機嫌な様子。退屈な戦いに楽しみを見出したよう。
っていうか、英雄王が飲める程度のワインを収蔵してる綺礼って、やっぱ僅かな自覚があるようにソコは楽しんでるって事なのね(ぉ
どこか綺礼も上機嫌のようですが、自身は理解していないみたいですね。
ここでアーチャーは改めて、聖杯、令呪、マスター、サーヴァントの関係性を問う。
使い切らなかった令呪は聖杯に回収される。マスターを失いサーヴァントが残った場合、新たな候補者に聖杯が令呪を配布する。
展開次第で新たなマスターが誕生する可能性もあるが適格者はそういるはずもないので、生存保護された脱落者に再贈与される可能性が高くなる。故にマスターは無力化よりも殺害される可能性が高くなる。
綺礼としては時臣が既に必勝戦略を用意している為、新たな出番など想定していないようですね。
しかし、アーチャーは不敵な笑みを浮かべて……
自身を理解していない綺礼よりも、アーチャーには綺礼が進むだろう道筋が見えているようですね。

■Bパート
おおっと!アイリじゃなくてセイバーさんが運転してますよ。フルボッコを忘れるほどにご機嫌でしょうか(ぉ
連れてこられた不思議な建物は新しい拠点となる場所。土蔵も建っている和風の家屋のようですね。
幽霊屋敷のように荒れ果ててはいるけれど、板張りの廊下に、干草を編み固めた床、髪の間仕切り、以前切嗣が話してくれた日本の家であり、優しさを感じ取れるというもの。にしてもアイリの仕種がイチイチかわいいなぁ♪
しかし…魔術師の拠点としては開放的であり魔術工房設置には向かない。石か土で密閉された場所が必要だが……そこも抜かりない切嗣でした。そのための条件が土蔵なのですね。
アイリの挙動にセイバーは違和感を感じていたようです。
それも魔術の準備まで門外漢のセイバーに手伝ってもらうとなれば尚更ですね。
ただの体調不良による触覚遮断で霊格を抑える為で、ホムンクルスであるが故の構造的欠陥によるものと言うけれど……
その言いようは生真面目な騎士であるセイバーに追求させない巧みな言いようでした。
「きちんと地脈に通じた魔法陣で休息すれば、私の具合もちょっと好転するはずだから」
……はず?始まりの御三家に挙げられる名門なのに、その曖昧な言い回しはなんとも何かを隠してるようですね。

以前、アーチャーが要求した各陣営の深みまで諜報した結果を綺礼は話して聞かせるが……
バッサリと雑種だの凡庸だのと切り捨てやがった(笑
まぁアーチャーはそんな情報には興味はなく、綺礼が何を見出すかに期待を寄せてる訳だしね。
無意識のうちに仔細の報告となったバーサーカー陣営への興味。それこそが愉悦への扉であり入口となる。
だからこそアーチャーの言葉に押され想像を働かす。だからこそ戯言を一蹴せず扉を開いてしまう。
娯楽を理解し愉悦を見出した大きな一歩は聖職者として禁断の入口に踏み込んでいく。
痛みも嘆きも『悦』となり得、矛盾となる要素は何処にもなく、愉悦の在り方には定型はない。
綺礼は聖職者として反射的に否定するが、アーチャーの甘言は綺礼の本質を捉えていて、更にはトドメとばかりに想定外の贈与が手の甲に宿っていく。

――令呪
万能の願望器の意思が綺礼に期待しているのか…歪んだ愉悦のあり方を肯定しているのか……
それはアーチャーの目論見通りであり、綺礼には未だ見えぬ願望に聖杯であれば容を与えるという、目的と手段を入れ替える方法を示唆する甘言を……
師弟としての義理を盾に躊躇する綺礼ではありますが、敢えて取るべき答えを言わず決断を目の前にぶら下げたアーチャー。
ソレはあまりに甘美なる果実であり、その先にあるモノは求め続けた渇望のカタチ。
最強の手札がそこにあるのだから…誘いを掛けているのだから……ソレは最初で最後の大いなる決断の時!!
あぁ…なんともチェス版が綺礼の未来を象徴してるじゃないですか……(汗
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
これまでの纏めと補足と転換と……という話だったのかな。
ただそれだけの話だったのに時間はあっという間に流れていった感じです。
特に綺礼とアーチャーの会話が聖杯問答に匹敵する重厚さに感じましたですよ
ますは、アイリとセイバーについて。
アイリの挙動から不調を感じ取ったセイバーですが、その真意まで見抜いたのかと言えば疑問が残ります。
切嗣との関係がアレなだけに、アイリに向ける全幅の信頼が言葉の奥まで読み取らせなかったように思えます。
アイリの体調不良がこの日からというのも気になるところですね。なんといってもアサシンを殲滅した直後からということですから。
思わず忘れそうになりますが、アイリはホムンクルスであり、聖杯を守るための器でしかないということ。彼女の身に何が起きているのか、こういったことが関係しているのか気になるところです。
そして、単独行動を取っている切継。
最も現実的に魔術と科学の長所を活かしているだけに、戦況分析はおそらくイチバン的確でしょう。
アサシンも殲滅されましたから以降の情報のアドバンテージは最大となっていくと思われます。
でもその分析の結果は……結局コレといった身動きが取れる戦況ではないのですよね。
その最大の要因がやはり綺礼であることは間違いないでしょう。戦略のセオリーを外し、時折単独行動を取ってきた彼がサーヴァントを失ったからといって大人しくしているとは思えない。しかもその行動の先には切嗣自身がいるだろうという分析結果。
不気味ではありますが、手を拱いてばかり入られず……この膠着した戦況をどう打開するのか魔術師殺しの腕の見せ所でしょう。
その綺礼の動向です。
今度こそ本当にアサシンを失い時臣からお役御免となったわけですが。
てか、そう聞こえますよね。あの通信だと。元代行者の綺礼ならサーヴァントなどなくても戦力になるだろうに(ぉ
まぁそれは於いといて。
まったくもってアーチャーの甘言が巧み過ぎて惚れ惚れしますなぁ。
清濁併せ呑むどころか、善も悪も光も闇も混沌のままに呑み乾し快楽を見出す漢だけに、綺礼のような虚無を抱きつつ足掻き求めるような者は見ているだけでも愉悦の極みでしょうね(ぉ
アーチャーに揺さ振られ己自身でさえも見えていなかった心の容を突き付けられた綺礼ですが、既に半ば認められなかったソレを受け入れ始めているようです。
そのトドメが新たに贈与された令呪。
原初の英雄王が、万能の願望器が、虚無なる男へと誘いを掛けてくる。
その意思は…企みは……認められるモノなのか………どう考えてもロクなことにはならないですよね(激汗
http://najigo.blog31.fc2.com/blog-entry-656.html
ラベル:Fate/Zero