2011年09月19日

■異国迷路のクロワーゼ 【第12話】屋根の上の猫


異国迷路のクロワーゼ


異国迷路のクロワーゼ Partie12:“ Chats sur un toit ” 第12話:「 屋根の上の猫 」の視聴感想です。

ギャルリ。
猫。
捜索。
父。
笑顔。
ギャルリの家族になれたでしょうか?


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■スタッフ
原作:武田日向/監督:安田賢司/シリーズ構成・音響監督:佐藤順一/脚本:池田眞美子/キャラクターデザイン・総作画監督:井上英紀/美術監督:川口正明/美術設定:ロマン・トマ、ルガル・ヤン、ブリュネ・スタニラス/色彩設定:品地奈々絵/チーフCGIデザイナー:後藤浩幸/撮影監督:岩崎敦(T2studio)/加藤千恵(T2studio)/編集:後藤正浩(REAL-T)/音楽:コーコーヤ/音楽製作:フライングドッグ/音響制作:青二プロダクション/アニメーション制作:サテライト/製作:異国迷路のクロワーゼ製作委員会



■キャスト
湯音:東山奈央/クロード:近藤隆/アリス:悠木碧/オスカー:田中秀幸/カミーユ:矢作紗友里



異国迷路のクロワーゼ12-1

■アバン
クロードと買い物に行くだけで湯音は満面の笑みですよ♪
オスカーは久しぶりにすき焼きをご所望。クロードは……(笑

湯音はすっかりギャルリのマスコットだね♪



異国迷路のクロワーゼ12-2

■Aパート
ギャルリ公認で実は湯音は猫だったんだよ!(マテ
猫な湯音…猫湯音……ネコミミな湯音だと!?(おもちかえり〜♪(オチツケ
ではなく、ギャルリの人たちの中心に湯音がいます。勿論話題は猫ですにゃん。

日常レベルのフランス語はもうお手の物。
ヤニックさんとこの猫看板もジャン作なんですね。世間話程度でもクロードは不機嫌になっちゃうのか。
看板のモデルになったにゃんこは、大きな鈴をつけたまま行方不明らしい。
にゃんこへの言付けも湯音なら伝えられそうに思えるわ(笑

仕事に戻るクロードは、オスカーの言葉が突き刺さってるみたい。
どうにか手伝おうとする湯音だけど……デフォルメ絵を見てる分にはめっさ可愛い!
だけど、その場にいたら危なっかしくて仕事どころじゃなくなるね(苦笑
その姿を見てオスカーがまた余計な一言。そりゃ幼クロードの話題なら湯音も興味津々間違いない(笑
でもジャンのことは避けられないので禁句でした(汗
 
気を取り直して、湯音は安全に手伝おうと手袋を借りようとするけれど……
いっつ逆鱗!(汗
「ホントどっか行ってろよ!!」
さすがにこの感情の触れ幅はただ事ではない感じですね。
取り返しの付かないような事故があったのでしょうか……?

湯音の闇の部分には踏み込みましたけど、まだ自分のこととなると曝け出せる段階ではないようですね。
なんとなくだけども、現実と向き合えないというより、未だ自分の中で整理しきれていないという感じが強いのかな。
さすがに先ほどの大声は後悔しているようで、オスカーにフォローを頼んだようです。



異国迷路のクロワーゼ12-3

オスカー爺さんによると、湯音が手にした手袋はジャンが使っていたもののよう。
クロードの真意がどうあれ、いわば形見なわけで湯音は知らなかったとはいえ罪悪感は感じちゃうよね。でも。
「何処か行ってこいとは言ったが、行っていいのはギャルリの中だけだぞ」
クロードからの伝言に、なんて嬉しそうな笑みを浮かべますか!
嫌われた訳じゃなく、いつものように心配してくれている言葉。感じるのは不器用な優しさですね(笑

ふと聞こえた鈴の音に、思い出したヤニックさんちの猫の話し。
伝言を伝えに追いかけて行ってしまいましたよ。湯音さん最近、超常に目覚めてるからダイジョブか?(汗(マテ

思い出してしまうあの日のこと――
父の背を追いかけていた日々。懐かしい思い出。
湯音がいなかったら、まだ暫くこんな風に思い出せずにいたのではないだろうか。
ましてや、手袋を見て微笑むなんてことは……

湯音は猫看板を見上げて。ヤニックさんがその姿を目撃。
ホントに鈴をつけた猫が導いているのかしら?かしら??


異国迷路のクロワーゼ12-4

クロードはやはり湯音のことが気になるようです。留守番をオスカーに頼んで、もうダッシュ!湯音を探せ!!
何故ソコまで湯音を探すのか、クロード自身分かってないんでしょうね。交わす言葉は少なくてももう既に離れ難いほどに深く関わってしまっているんです。
また迷子かと思われたり、アランもからかったりと、でもクロードの姿は必死そのもの。
伊達に腐れ縁じゃないアラン、マジ事だと察したようですね。

幾ら探してもいない湯音。目に留まったのはブランシュ家メイド隊。故にアリス嬢!
って、ソコ自分ちじゃん!顔を見せたオスカーがポロッと湯音行方不明を言っちゃってアリス激怒!(笑い
ぐうの音も出ないクロードさんたじたじ。やっとヤニックさんのことを思い出したりとテンパってますなぁ(苦笑
アリス嬢も捜査網にエドガール&メイド隊投入したり、場合によっては強制的に保護者となると宣言したりと。
まぁなんだ……どっちも過保護なのは間違いない(笑

湯音は鈴の音に誘われるままに……って、何処まで侵入してるのさ!?
外は湯音捜索包囲網で大騒ぎでっせ!!(笑



異国迷路のクロワーゼ12-5

■Bパート
アリスは念のためブランシュ家に戻ってカミーユ姉さまにも確認。
お付きの人にも捜索を手伝うように指示するなんて、お姉ちゃんやっぱ優しいです♪

いやぁもうホント大掛かりな捜索になってきましたね(笑
アランは彼女さんと聞込みしてるし、エドガールもメイドさんも本気で捜索、アリスの叫びはあの子にも届いて。
クロードはやっとヤニックさんから猫看板を見ていたと証言を得ました。その時鈴の音が……
……湯音めっけ!って、屋根の上?!確かに言いつけは守ってるけど!!(汗

もしかして高いところ苦手なんじゃないの!?
風でよろめく!下駄落とす!!心臓に悪いから動かないで湯音!!危ないからぁ!!!(汗


異国迷路のクロワーゼ12-6

駆けつけたクロードの静止を聞こうとしない湯音。
それは、鈴の音を響かせる猫をヤニックさんに会わせてあげたいから。ギャルリのみんなの役に立ちたい一心で。
だけど、あの猫の話は冗談半分、10年以上行方が知れないのだから。まさかこんな事態になるとは誰も思わないよなぁ(汗

「お前の仕事は、怪我をせずに俺の傍にいることだ!」
クロードにはそんなつもりはないでしょうが、それって結局籠の鳥で居ろってことになっちゃいますよ。
そのために傷付いたヒトがキミの傍にいるでしょうに!それに湯音は“役に立つ”ことが生き甲斐のような娘なのに(ぇ
その言葉にショックを受けた湯音は前後不覚で落ちてしまったぁ!!(激汗
……とりあえず屋根ガラスの上で無事でした。湯音が軽くてよかったよぉ……って、みしみしいってる!!(あわわ

手を必死に伸ばすクロード。
「知らないんだ、お前は!俺の手が何も掴めなかった時の惨めさを!!
 お前は…何も出来ないのはお前だけじゃない!オレだって爺さんだってそんなの同じだ!!」
ジャンは作業中に死んだ?湯音は図らずもクロードの心に触れたことで素直に手を伸ばして……救出成功!(一安心


異国迷路のクロワーゼ12-7

まったく湯音はよく見ていますね。
手袋見て微笑んでいたクロードをバッチリ記憶しておりました(笑
そんなクロードが、形見を大事にしていないわけがなく、ジャンのことも嫌っているはずがない。

職人気質で不器用な父親でしかなかったジャン。
だからクロードは苦手だったようだけど、その態度、オスカーのこぼれ話からすれば、好きで仕方がないという感じ。このツンデレめが(笑
ある日、仕事中に起きた事故でジャンは…クロードの目の前で……
ジャンだってこんな所にまでクロードを連れて来てるんだから、同じ道を歩もうとしてる息子を嫌っていたはずはないですね。

目の前にあるのに、なくなってから気付くこと。ジャンのこと、小さかった手、あの頃の自分。
湯音のことも、居なくなってからでは遅いと気が付いたからこその必死の捜索だったのかな。

そっか、ジャンはグラン・マガザンの仕事でなくなったのか。だからブランシュ家を二重三重の色眼鏡で見るようになったのね。アリスが暗い表情を浮かべたのも当然のことですね。
それでも、いつかグラン・マガザンに自分で湯音を連れて行こうと思うことができたのは、真っ直ぐで必死な湯音と出会うことができたからなんでしょうね。

振り返れば、そこにはジャンが愛したギャルリが確かにある。いつだって父親が記した痕跡を見ることができる。
そして湯音が無事に居てくれれば、クロードの手は無力の手ではなくなる。つか…受け取り様によってはプロポーズか!?(マテ(恥かしいセリフ禁止っ!!(ビシッ!!


異国迷路のクロワーゼ12-8

人騒がせな黒猫を連れ帰ったクロードさん。お姫様だっこですかっ♪(ヤンヤヤンヤ(笑
みんな呆気に取られつつもこりゃ笑うしかないわなぁ。あの子も湯音の無事な姿を確認してにっこり。
「皆さん、心配かけて済みませんでした」
「心配?そうじゃない。湯音はいるだけで、こんなにもみんなを安心させてるじゃないか」
オスカー爺さん、この一言で全てを持ってった気がするよ!アンタやっぱ只者じゃねーよ(笑

「私、ギャルリの家族になれたでしょうか?」
「あぁ!」
いい笑顔だ!湯音!!コレまでで最高の笑顔です♪

幸せならいつもずっと此処にあるの――



異国迷路のクロワーゼ12-9

■アイキャッチ&エンドカード
最後のご挨拶ですね。
ご視聴ありがとうございました(ぇ
ちなみに↓に猫と戯れる湯音の一部始終が(笑



┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛



湯音がギャルリの役に立ちたかったのは、それが居場所の証明になるからなんですね。
でも、そんな証明がなくとも、いつのまにかギャルリは双方に必要不可欠な居場所になっていましたね。
それは、湯音の周りに笑顔が溢れていることが何よりの証明なのでしょう。だけどもそれは気が付いたときにはもう当たり前になっていたが故に気がつけないでいた。目の前に既にあるのに。
不安であるから一見無茶なことでも、一生懸命に、必死に、手にしようとしていたのでしょうね。まぁ湯音の場合、生来の性格によるところが大きいそうですけどね(苦笑


クロードは今回の騒ぎで覚悟というものが形作られてきたのではないかと思います。
コレまでは線引きをし、湯音に限らず、誰ともある一定以上は親しくならないようにしていたのではないかと思うのです。
父を失った現実から、一歩引いたところに立っていた。それは救うことができなかった自分への無力さ、嫌われていたのではないかという不安、最悪もしかしたら自分が見殺しにしたとまで思っていたかもしれません。
だとすれば、湯音が抱えていた闇よりももっと深い闇なのかもしれません。
でも無意識の内に湯音に対して親しみを覚え、大切な家族となっていったことで、線引きは破綻し、湯音の闇を垣間見て、自分の闇をも切欠さえ得れば曝け出せるまでになっていたようです。

そう考えたとき、ふと、オスカー爺さんが家を空けて日本に旅立ったのはワザとだったのではないかと思えます。
父・ジャンの後を継ぎ、まがりなりにも店を任せられる程度に成長したとき、グラン・マガザンを憎み、幼馴染の居るブランシュ家に怒りを向け、実は己自身を許せずに居るのに気付いてすらいない孫に、一人で己を見詰め直す時間を与えたかったのではないか……なんて、思慮深く考えていたんではないかと買いかぶってみるんですが如何か!?(ぉ
しかも行った先の日本では、好奇心に溢れ世界に憧れ輝きを放ちながらも何処か陰のある湯音という逸材と出会うことができた。湯音とクロードが出会ったときの互いの変化に期待を寄せてもいいんじゃね?
ハンサム・お茶目・ジェントルメンなオスカーならそれくらい華麗に実行しそうでなぁ(ぇ

まだまだジャンの死についての真相は語られていない感じですが、取り敢えずはこれで充分でしょう。
少なくともクロードは湯音に向けての扉の鍵は外したのです。彼が心の整理を果たすのはコレからもっと時間が必要なのでしょう。
気が付けば湯音がその整理を手伝っているのかもしれません。そのときクロードの口から全てが語られ、きっとグラン・マガザンを湯音と歩く姿が見られるのだと思います。



■アイキャッチGIFアニメ
アイキャッチを繋いでGIFアニメにしてみた(笑
異国迷路のクロワーゼ-アニメ

にゃんこと戯れる湯音が可愛い♪



■総括
とうとう『異国迷路のクロワーゼ』が最終回を迎えました。
今期終了のアニメの中でも抜群の安定感を誇り、次回が待ち遠しくてたまらなかった作品でした。

視聴前には“可愛らしい湯音を愛でながらホンワカするアニメ”だと思っていたのですが、そんなことは表層的で、なかなかどうしてグイグイッと物語の中に惹き込まれていく感がとても心地よかったです。
かといって、単純なほのぼの癒しでもなく、各キャラクターが抱えるフクザツな心境が、いい具合にシリアスさを増して深みにつながっていたと思います。

そんな中で、あまり影の部分が見えなかったのがアリスとオスカー爺さんでした。
アリスは底抜けの明るさと積極性で、オスカー爺さんは年季とお茶目さで、どんより暗くなりそうなところを上手に引き戻すバランサーぶりは絶妙でしたね。
ただやはり個の二人にも危うい部分を想像できる余地はありました。
例えば、アリスなら姉・カミーユの真意の部分であったり、オスカー爺さんもジャンのことが傷になっていないわけがないはずで。
全てをリセットしてくれるキャラの影が描かれた時、物語がどういうふうに動くのか気になるところではありますね。

ところで、この作品はサトジュンこと佐藤順一氏の名前が先行してしまった感があると思います。
自分の中でサトジュンといえばARIAなわけですが、この作品もやはりARIAっぽさを良くも悪くも引き合いに出されていたのではないでしょうか。本来の監督である安田賢司氏の影が見えないほどに……(汗
サトジュンがシリーズ構成・音響監督ということで、ARIAのような全体として温かい空気を保ちつつ、うみものがたりのような心の葛藤・闇を良いバランスで展開していったように思えます。
そして全体を通して、音響が大きく影響していたのではないでしょうか。BGMはもちろんのこと、効果音が特に印象的だったと思います。なにせこの作品で先ずグワシッと惹きつけられたのは湯音がギャルリを歩く下駄の音でしたから。人々の喧騒の中、石畳で響くカポッカポッという音は今でも耳に残っています。
とまぁサトジュンのことはここまでとして、安田賢司氏はこの作品が初監督なのでしょうか?
サクっとググッてみたら、絵コンテ演出で多くの作品に関わっているようですね。あのノエイン(←結構好きな作品だったり)では副監督をしていたようです。
サトジュンの名に隠れてしまったとはいえ、安田賢司監督のもとこの作品は作られたはずです。
フランスの風景やギャルリの雰囲気、時代を感じる空気感、作品を支える屋台骨がしっかりしていたからこそ物語に入り込めたのだと思います。次の作品が楽しみだと感じますね。

うだうだと書きましたが、一言で言えば『異国迷路のクロワーゼを大好きになった』ということ。
ネットで見た限りだとなかなか高評価の内に最終回を迎えたようなので、きっときっと2期があるのではないかと思いっきり期待しております。でも……原作ストックがほぼ無いんでしたっけ?(汗
この作品に関わった全てのキャスト・スタッフの皆さんお疲れ様でした。
湯音の可愛らしさを十二分に堪能できた上に、しっかりとしたストーリーを満喫できました。ありがとうございました。





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posted by 露羽 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(21) | ■異国迷路のクロワーゼ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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