異国迷路のクロワーゼ Partie10:“ Fantasmagorie ” 第10話:「 魔術幻燈(ファンタスマゴリー) 」の視聴感想です。
先代。
不思議。
高い壁。
交流。
挑戦。
目を閉じると見えるモノがある理由――
■スタッフ
原作:武田日向/監督:安田賢司/シリーズ構成・音響監督:佐藤順一/脚本:池田眞美子/キャラクターデザイン・総作画監督:井上英紀/美術監督:川口正明/美術設定:ロマン・トマ、ルガル・ヤン、ブリュネ・スタニラス/色彩設定:品地奈々絵/チーフCGIデザイナー:後藤浩幸/撮影監督:岩崎敦(T2studio)/加藤千恵(T2studio)/編集:後藤正浩(REAL-T)/音楽:コーコーヤ/音楽製作:フライングドッグ/音響制作:青二プロダクション/アニメーション制作:サテライト/製作:異国迷路のクロワーゼ製作委員会
■キャスト
湯音:東山奈央/クロード:近藤隆/アリス:悠木碧/オスカー:田中秀幸/カミーユ:矢作紗友里
■OP&ED
OP『世界は踊るよ、君と。』羊毛とおはな / ED『ここからはじまる物語』湯音(東山奈央)
■Aパート
クロードは真剣な様子で何処からか引っ張り出したデッサンを見ております。
その姿に湯音は気を利かせて、食事当番を交代。オスカー爺さんがこそ〜っとクロードに近付いて見てみると、それは二代目ジャンのアイデアデッサンだったよう。
どうやらジャンは流線を得意とする一流の職人だったようですね。
湯音が作ったポトフはお世辞抜きに絶品のようで。二人とも湯音と一緒に「いただきます」しなさい(笑
クロードがジャンのデッサンを引っ張り出していたのは、当時のお得意様からの以来があったからのよう。
まるで先代を超えられるかの勝負みたいで。勝負云々はさておき、クロード自身は親父を越えたいはずですよね。
留守にするクロードは残る湯音が心配でならないようです(笑
大丈夫と剥れる湯音も『迷子』を取り出されたら「はい」と言うしかないじゃない(苦笑
ギャルリの入口まで見送りに出る湯音は大和撫子だねぇ♪
思わず入口のオスカー爺さんが創った看板を見上げるクロード。
そう、此処には親子三代で創り上げた証と誇りが詰まっているのですよね。
だけど自分はまだ先代を超えたとは決して言えず……越えたいよなぁジャンとオスカーを!!
おぉ!湯音に顔見知りが増えている!!
カフェオレに誘われ、赤ちゃんをあやし、ご婦人方と挨拶を交わし、子供が纏わりつくほどに。
そして思わずにゃんこと戯れて道草したくなるほどに慣れてきてるぅ〜(笑
にゃんこの誘惑を振り払い、店に戻った湯音。
クロードが勝負に赴いたからこそ、遊んでられない!一生懸命働くのです!!
仕方なくオスカー爺さんが与えた仕事は物置の掃除。ソコで見つけたのは……様子を見に来たオスカー爺さんのイタズラ心に火がついた!?(えー
店を片付け広い間を空けるオスカー爺さん。
そこにアリス一行がやって来て、布を張ったら準備完了!さて何が始まるのか……
「世にも不思議な世界を特とご覧あれ!」
布をスクリーンに映し出される光。大きな円から段々小さく……
湯音とアリスがジーーーーーッ!執事とメイド隊もジーーーーーッ!
と見詰めて光が点となり消えたその瞬間……悪魔が!狼男が!!死神がっ!!!(笑
湯音もアリスももんどりうって吃驚!湯音は怖がり過ぎですから!!でもそれがまた可愛くて仕方ないのだけど♪
それは画を写し出す幻灯機という不思議な機械。
懐かしい感覚に湯音は小さい頃を思い出して――
姉さまを探していた湯音は障子に映った狐を見つける。
姉さまと一緒に夕陽で遊んだ影絵。こんこん。ぽっぽっ。
ほんの短い時間のあったかな思い出……
シンミリしてしまった空気にオスカー爺さんが別の不思議を提供。
クルッと廻せば絵に描いたバレリーナが踊りだす。自分絵描いた絵も動き出すと聞いた二人は目を輝かせて♪
本と湯音もアリスも好奇心旺盛ですよね(笑
■Bパート
その頃クロードはお得意様の下で打ち合わせ。
ワイン農園ならではのパリっ子が憧れるようなレストランの看板。大胆な構図に繊細な細工を得意としたジャンのような……
いや、親父の看板を前に気負っているのは分かるけど、もうちょい愛想良くしてもいいと思うぞ(無理(苦笑
オスカーからジャン、そしてクロードへ。『ロアの看板店』への注文だということを忘れちゃいけない。
ジャンが築いた信頼の元での注文だと言われたら何も言い返すことなんて出来ない。つか、それを言わせちゃいけないよ。
ミミズじゃないよ!ドラゴンだよ!!天駆ける龍の閃きだよ!!(マテ
オスカー爺さんの不用意な一言でみんな冷や汗です(笑
ドラゴンセット!回転開始!!龍が天を駆けて……アリスと湯音が輝いてる(ぱぁぁぁぁぁぁぁ♪
次はにゃんこセット!回転開始!!にゃんこが走り出して……湯音上機嫌(ぱぁぁぁぁぁぁぁ♪
ないモノが写し出されたり、絵が動き出したりの不思議の謎。
「心が、ホントに居たらいいのにとか、動いたらいいのにとか、思うからかもしれないなぁ。
目を閉じると見えるモノがあるのは、そういう理由なんじゃないのかな」
オスカー爺さんいいこと言ったぁ!まずは感じて、思って、心の在り様が発露となるのです。
クロードは思い出す、あの頃を――
まだ職人で賑わっていた工房で、憧れていた親父の姿。
初めて金槌を握ったあの日、恐る恐る叩いてみたが、ダメだった。
ただ悔しくて、そのまま金槌で叩く親父の姿を見詰めていた……
クロードはきっとジャンと比較なんかされたくないのでしょう。でも勝負はしたいに違いない。
競って負けて競って負けて…いつまでも高い壁で居て欲しくて。だけど必ず越えたくて。
思わずクロードは空を見上げる……今そこに居たらいいのにと。
そこにやって来たアランが何か思いついたよう。コイツも何かとお騒がせ体質っぽいからなぁ(ぉ
って!ギャルリの人が集まってきて、なんか大事になってますよ!?(笑
何気にアリスがお婆さんに椅子を譲ったり、床に座ったり、子供がすぐ隣に座ったりと……スッカリ馴染んでるなぁお嬢様♪
異人の湯音にもオンナノコが裾を握って「キレイ!」ですって。もうスッカリギャルリの一員になってますね♪
……ストリートチルドレンのあの子はさすがに居ないか。
そして太鼓の音と共に即席手作りショーの始まりです。
幻燈機で写し出される画にワイワイキャッキャ。悪魔を追い払って女神様と天使のキス!!
みんな楽しそうで、嬉しそうで、笑顔が溢れて、ひとつになって。
いつの間にか帰って着ていたようなクロードは…湯音が“居たらいいのに”と思った幻でしょうか……
アリス御一行もとっても楽しんで帰って行きました。
アランも指摘してましたが、ギャルリ中が天敵のブランシュ家だと忘れてるみたいにスッカリ馴染みきってます。
これもきっと飾らない湯音がみんなに真心で接することで生まれた奇跡なのかもね♪
■Cパート
湯音はクロードの帰りを待っていて寝てしまったのかな。
掛けられていた服に優しさを感じ、真剣に取り組んでいるクロードを見詰めていると……
「……居ないけど…居たらいいのに」
その想いが見せた幻か、クロードの傍らにはジャンの姿が。
ジャンが残した想いのカケラは工房だけでなくギャルリ中に散らばっているから。
きっとクロードを導いてくれるはずですね。
■アイキャッチ&エンドカード
宝物を抱えたおめかし湯音さん。
これは……お持帰りしていいですか!?(マテ
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
今回は湯音の可愛らしさが散りばめられ過ぎててほっこりしちゃう。
どれだけ悶えさせるきですかっ!湯音、罪な娘♪(マテ
まぁそれはそれとして。
物語の基本として、異文化交流というものがあると思うのです。
日本とフランスはもちろんのこと、成り上がりと庶民だったり、先代と当代だったり、コレまで対比されていた部分が満遍なく描かれたかなぁと思います。
そして、それらの異文化は、決して分かり合えないものではなく、交わることで新しい価値を見出せる可能性があることを示してくれたと思います。
その中心にいるのが、コレまでギャルリに存在しなかった湯音という黒髪のオンナノコ。
例えば、ブランシュ家とギャルリは交わらずただ反目していただけなのに、湯音という存在が、ギャルリにブランシュ家令嬢を受け入れさせ、アリスに庶民との自然な交流をさせてしまった。
例えば、親父と比較され続けたクロードに、親父に憧れていた幼き日のことを思い出させ、ただより良いものを創る初心を呼び起こさせた。
だけど湯音自身は何か特別なことをしたわけではなく、ただ毎日一生懸命に過ごしていただけ。
フランスという価値観を受け入れ、理解して、実践して、行動で示す。かといって日本は決して捨てず、信念は貫き、折り合いをつけている。
心の在りようで異文化であっても受け入れられること、だからこそこに新しい発見があることを体現していると思います。
http://blog.livedoor.jp/nylon66/archives/51740072.html