2011年04月24日

■魔法少女まどか★マギカ【最終話】わたしの、最高の友達

魔法少女まどか★マギカ


魔法少女まどか☆マギカ#12最終話の視聴感想です。

願い。
希望。
祈り。
意思。
想い。
貴方が彼女を忘れない限り貴方は孤独じゃない。




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■スタッフ
原作:Magica Quartet/監督:新房昭之/脚本:虚淵玄(ニトロプラス)/キャラクター原案:蒼樹うめ/キャラクターデザイン:岸田隆宏/シリーズディレクター:宮本幸裕/総作画監督:谷口淳一郎・高橋美香/アクションディレクター:阿部 望・神谷智大/プロダクションデザイン:劇団イヌカレー/レイアウト設計:牧孝雄/美術監督:稲葉邦彦/美術設定:大原盛仁/色彩設計:日比野仁・滝沢いづみ/ビジュアルエフェクト:酒井基/撮影監督:江藤慎一郎/編集:松原理恵/音響監督:鶴岡陽太/音響制作:楽音舎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:シャフト/

■キャスト
鹿目まどか:悠木碧/暁美ほむら:斎藤千和/巴マミ:水橋かおり/美樹さやか:喜多村英梨/キュゥべえ:加藤英美里/佐倉杏子:野中藍/

■OP
『コネクト』ClariS

■ED
『Magia』Kalafina



魔法少女まどか★マギカ12-1

■アバン
「ほむらちゃん、ゴメンね。私、魔法少女になる」
まどかのその言葉は、ほむらにとってどれほど残酷なモノだっただろう……
しかし、まどかのその言葉の奥には、ほむらが…淫Qβさえも予想だにしなかった優しさが込められていた。
ほむらがまどかを必死に守ってきたからこそ、地獄のような繰り返しを絶えてきたからこそ見い出したまどかの願い。
「数多の運命を束ね、因果の特異点となったキミになら、どんな望みだって叶えられるだろう」
「本当だね?」
「さぁ!鹿目まどか。その魂を代価にして、キミはなにを願う?」
ここで淫Qβは最高の成果を確信しただろうね。人類と同じ感情があったなら狂喜乱舞するところだろう。しかし!!
「私……
 全ての魔女を生まれる前に消し去りたい!
 全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を!この手で!!」
まどかの願いに応えるように輝きだす魂。その願いは全てを引っ繰り返す想定外のモノ。云わばコレまでの神に成り代わり、それ以上に世界そのものになるというようなこと。
「その祈りは……そんな祈りが叶うとすれば、それは時間干渉なんてレベルじゃない!因果律そのものに対する反逆だ!!
 ――キミは本当に神になるつもりかい?」
コレまでどんな状況でも落ち着き払っていた淫Qβが愕然とする姿には溜飲が下がる思いですね。
人類に対し神の如く振舞ってきた彼らが構築したシステムを根底から引っ繰り返す願い!そしてそのシステム故にまどかの祈りは背負った因果と引き換えに叶えられる!!
「神さまでもなんでもいい。
 今日まで魔女と戦ってきたみんなを…希望を信じた魔法少女を……
 私は泣かせたくない!最後まで笑顔でいて欲しい!!
 それを邪魔するルールなんて、壊してみせる!変えてみせる!!
 これが私の祈り。私の願い……さぁ!叶えてよ!!インキュベーター!!!」
祈りを取り込み発動したシステムは、まどかと淫Qβを中心に輝きを増し、白い光の中へと全てを飲み込んでいく……
まどかがこの祈りへと辿り着いたのは、ほむらの決死の願いはもちろんのこと、淫Qβが見せ付けた魔法少女達が紡いだ絶望の歴史が大きかったでしょうね。
云わば淫Qβの自業自得であり、人類の感情というものを理解しようとせず、不合理な劣等知的生命体と見縊った結果でしょう。想いの強さをナメんな!!



魔法少女まどか★マギカ12-2

■Aパート
そして……………センパイが語り掛ける。
理想的な魔法少女として戦い続けたマミさん。願いの代償を身をもって思い知っていた杏子。
まどかの願いがどれほどに過酷であるかを問い掛ける。鹿目まどかという個体は保てず過去から未来に渡る全ての世界の概念となるであろうことを。
まどかの決意がどれほどの覚悟であるかを受け入れる。鹿目まどかが全てを捧げる戦う理由から逃げずに守り抜くと決めたのだから。
まどかの想いは願いではなく祈りなのだから……
おぉっと!この『魔法少女になったらノート』はマミさんが持っていたですかっ!(笑
まどかが魔法少女という存在を考え始めた始まりのノート。魔法少女への純粋な想いが詰まった大切なノートですものね。
「貴女は希望を叶えるんじゃない。貴女自身が希望になるのよ。私たち……全ての希望に!」
この世界は刹那の魂の交差点だったのでしょう。砕け散ったソウルジェムのカケラが見せた瞬く間の幻。

純粋な想いと託された希望を纏った魔法少女まどか★マギカ爆誕!!
その姿は煌びやかに輝き、その瞳は意思に満ち溢れ、真っ直ぐに世界を見据える!!
想いは弓を形作り、矢へと込められ、天上へと光が放たれる!天空を覆った暗雲は虚空に消える!!

魔法少女まどか★マギカ12-3

無数に散った祈りの矢は時空を越えて、絶望の淵の魔法少女達を解放していく……
魂を浄化され、消え行く少女達。その表情はとても穏やかで、安らいでいて……

魔法少女まどか★マギカ12-4

そして、ワルプルギスの夜の強大な絶望を受け止めるまどか。
「もういいの…もういいんだよ。
 もう誰も恨まなくていいの。誰も呪わなくていいんだよ。
 そんな姿になる前に、貴女は私が受け止めてあげるから!」
いったいワルプルギスの夜とはなんだったのでしょうか…たった一人の魔法少女の絶望だったのか……
もしかしたら数多の魔法少女達の絶望が寄り固まった集合体だったのかもしれませんね。


魔法少女まどか★マギカ12-5

ワルプルギスの夜をまどかが受け止めた際の白き光に包まれて、ほむらが目覚めた世界は荒涼なる大地と闇なる天空の世界。
そこはまどかの祈りに乗っ取った法則に再編されていく空間だった。時間能力者のほむらと淫Qβはそれを認識できるようですね。
ひとつの宇宙を作り出すほどの希望は、ひとつの宇宙を終らせるほどの絶望をもたらすことを意味する。
強大な絶望と化した魔女が地球を飲み込もうとしたその時!
「……ううん、大丈夫。私の願いは全ての魔女を消し去ること。
 本当にその願いが叶ったんだとしたら、私だってもう絶望する必要なんてない!!」
使い魔を優しく慰撫し昇華させるまどかの姿はまるで聖母。純粋な少女のままに、純真な処女として、全ての生命を育む大地母神のように!!
願いを希望とし、希望を祈りに変え、祈りを意思とした想いの矢が放たれる!自身のソウルジェムの闇を打ち消す光となりて。グリーフシードを二度と生み出さぬために!!


魔法少女まどか★マギカ12-6

「まどか…これでキミの人生は始まりも終わりもなくなった……」
“鹿目まどか”という個体は世界から消滅し、世界の中で“概念”と成り果てた。それは誰もまどかを認識できず、まどかも誰にも干渉出来ないということ。
そのまるで孤独よりも孤独な死よりも酷い結末にまどかの幸せを想うほむらは嘆き悲しむ……

しかしまどかはほむらの哀しみを否定する。過去と未来だけでなくifの世界までも見通せるから。ほむらが旅してきた世界のすべても知ることができたから。
「ずっと気付けなくて、ゴメン。ごめんね……」
そっと慈しむようにほむらを抱き締めるまどか…ほむらはただ泣きじゃくるしかなく……
前回のほむらの溢れた想いから抱擁もあって、こうなんというか込上げてくるものがありますね。泣いてなんかないぞっ!!(目頭を押さえながら
「今の私になったから、本当の貴女を知ることができた。
 私にはこんなにも大切な友達がいてくれたんだって……だから嬉しいよ。
 ほむらちゃん…ありがとう……貴女は私の最高の友達だったんだね」

魔法少女まどか★マギカ12-7

それはきっとほむらがまどかに求め続けた言葉だったでしょう。
でもまどかのこれからを考えると喜べるはずもない。どんなにまどかが「永遠にみんなと共にいられる」と認識していても。干渉出来ない以上それは永遠に孤独を突きつけられるということにもなるのだから。
なんといってもほむら自身がまどかを感じることが出来ないどころか全てを忘れるかもしれないのだから……
「ううん。諦めるのはまだ早いよ。ほむらちゃんはこんな場所にまで付いて来てくれたんだもの。
 だから…元の世界に戻っても……もしかしたら私のこと忘れずにいてくれるかも」
まどかは髪のリボンを解き、ほむらにそっと手渡す…まるで自分の分身であるかのように……
「大丈夫…きっと大丈夫。信じようよ!
 だって魔法少女はさ、夢と希望を叶えるんだから!!
 きっとほんの少しなら本当の奇跡があるかもしれない……そうでしょう!」
世界の改変が終わりへと近付き、個体としてのまどかが消滅していく……
「まどか!いかないで!!」
「ごめんね。私、みんなを迎えに行かないと……
 いつかまた、もう一度ほむらちゃんとも会えるから……
 それまでは、ほんのちょっとだけお別れだね」
「まどかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
まどかが迎えに行ったのはきっとマミさんや杏子、さやかだけではないのでしょうね。
魔法少女として絶望の淵にある者、戦い疲れた者、命の危機にある者、そしてこれから魔法少女になろうとしている者の傍らでしょうか……



魔法少女まどか★マギカ12-8

■Bパート
そして魔女から解き放たれた世界では――

怪我を治してコンテストに参加するまでになった上條くんの姿。その傍らには仁美が心配そうに見詰めていて……
迷いに迷い自分の望みを見失ったさやかが、真に欲したもの。それはただ彼の演奏を聴きたかっただけ。もっとみんなに聴いてほしかっただけのこと。
仁美のことも納得いっているようです。幼馴染と親友の姿をちょっとの嫉妬と大いなる祝福で見られるみたい。
そんなさやかの魂を上条くんの心は感じ取ったよう……

魔女……じゃないよね。謎の敵を倒したマミさん・杏子・ほむら。
そこにさやかの姿はなく……どうやらこの世界では力を使い果たすと魔女となる前に消え去ってしまうらしいですね。
さやかと友達になれたという杏子。そんなふたりのきゃっきゃうふふな日常を見てみたいと思うんだ。
そしてほむらのてにはリボンが握られていて………………!?
「……まどか」
名を……その名を覚えているだとぉ!!?なんという深い想い!なんという絆かっ!!
マミさんや杏子がまどかのことを覚えていないだけに、ふたりの繋がりをより感じますね。

さらに。
魔法少女まどか★マギカの絵を描いちゃうまどかの弟・鹿目たつや。そこを偶然通りかかったほむらだけが分かり合えるなんて……
たつや自身が姉・まどかを覚えているのか、それとも世界となり見守っていることを感じているのかは分からないけど、強い想いを世界から消し去ることは出来ないんですね。
ママさんもそのたつやが言うところのまどかに懐かしさを感じている。そしてほむらが身に付けたあのリボンにも……まどかを感じ取る家族の姿にほむらも柔らかな笑みを浮かべています。ほむらってこんな風に微笑むんですね。


魔法少女まどか★マギカ12-9

ちょっ!おまっ!!ほむらと淫Qβが仲良くパートナーってるよ!?(苦笑
ほむらが持つ『宇宙のルールの書き換え』という記憶は、今となっては淫Qβですら仮説の域を出ないトンデモ理論としかいえないと。
この世界で、浄化しきれなくなったソウルジェムは消えてしまう。その理由は淫Qβも解明できないことらしい。
で、やっぱりこの世界の淫Qβも効率重視の感情って何?美味しいの?的生物であることは間違いなさそうです。でもとっても仲良さそうだなぁおい(笑
そして魔女はおらず、代わりに『魔獣』と呼ばれるモノが魔法少女の敵のようですね。

哀しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど。
だとしてもここは、かつてあの娘が守ろうとした場所なんだ。
それを、憶えてる…決して忘れたりしない……!
だから私は……戦い続ける!!

まどかのお気に入りのリボンを身に纏い、まどかの武器であった弓矢を執って戦うほむら。
世界に溶け込んだまどかと共に戦い続ける決意の表れというところでしょうか。
この世界のほむらの願いはなんでしょうね。まどかの守ったこの世界を守り続けたいという感じなのかなぁ。



魔法少女まどか★マギカ12-10

■Cパート
Don't forget.
Always, somewhere,
someone is fighting for you.
--As long as you remember her,
you are not alone.
====================================
忘れないで。
いつも、どこかで、
誰かが貴方の為に戦っている事を。
――貴方が彼女を忘れない限り、
貴方は孤独じゃない。


悠久なる時が流れたのか……荒野でただ一人、魔獣へと立ち向かうほむら。
その背には白き翼を黒き翼に代えて、その翼はまるで魔女空間のようで。

――がんばって

まどかの声に励まされるほむらは笑みを浮かべ黒き翼を操り魔獣を討ち滅ぼしていく。

これはいったいどういう意味なんでしょうか?
魔女空間のような黒き翼に、表情を見せず口元だけの笑みを浮かべるほむら……堕ちたとも思えないですよね。
干渉できないといわれたまどかの力が魔女の形をとり具現化でもしたのかしら???


まるで第1話に合わせるように、映写機が回ったかのような演出で、主演の5人の魔法少女を中心に影絵なカーテンコールで幕。
最後のソウルジェムが映写機の光源のように見えました。魔法少女の世界に降臨したような赤い一筋のリボンも印象的。
そこに3行ほど文字列があったように見えるのだけど…なんて書いてあったのかしら???



madoka12_f11.jpg

■エンドカード
最後のイラストはうめてんてーですね。
杏子の制服姿が新鮮すぎます。ちょっと照れてる感じもグッド♪
マミさんが妙に色っぽい感じがします(笑
でもやっぱお気に入りはほむらですね★

やっぱりこんな学園モノが見てみたいですね!(ぉ



┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛



終りました…とうとう終ってしまいました。魔法少女まどか★マギカ。
11話12話の怒涛の展開は、ただただ圧巻。結果的に連続放送となったことが、更なる畳み掛けとなり、惹き付けることになったと思います。
まどかが神になり、ほむらは共に在り続け、マミさんと杏子は魔法少女として生き続けます。さやかだけが救われないという…さやか自身は納得してたけどさぁ。
どうしたってみんなで仲良く魔法少女戦隊マギカにはならないのね(ぉ


とりあえず、視聴終了時点で気になっていることをいくつか。

まずは、ワルプルギスの夜というのはなんだったのか?
たった一人の魔法少女の絶望があそこまで強大な魔女を生み出したのかということですね。
もしそうだとすると、それはほむらなんじゃないかと思うのだけど、そうするとパラドックスになっちゃうので却下。
あの歯車を基本とした姿や結界が意味を成さない能力とかほむらっぽいのだけどね(ぉ
なら複数の魔法少女の絶望なのかと推測するけど、そんなことありえるのか?
強力な人型使い魔の多さもそれなら納得できる気がするけど……ねぇ?

改変後の淫Qβの存在とは?
きっと魔法少女に勧誘するのは彼らの役目なのでしょう。なされる奇跡もそう変わらなそうです。
魔女というリスクがない分ある意味勧誘はしやすくなったんじゃないかと思えます。
最終的に集めているのはグリーフシードではなく、それに代わる石のようなものですね。
これは魔女と比べどの程度効率の差があるのでしょうか……

そして最大の謎はあの黒い翼です。
まどかの力の具現化なのか、魔女の力が形を変え現れたのか……
ほむらへの影響はあるのか、世界への影響はあるのか……
まぁまどかが付いているのだから心配は要らないのでしょうが…気になります!!


ふと思ったのだけど、やはり奇跡の対価というのは重いということですね。
というより、奇跡に対して相応の対価なんてそうそう払えるもんじゃないということ。
某侑子さんは言いました。「対価は過不足なく貰いすぎても貰わなすぎてもいけない」と。
ほむらが望み手にした奇跡は時間遡航能力だけど、その対価を支払う為に地獄のような繰り返しをこの世界に払い続けていたんじゃないでしょうか?
だからその対価が吊り合うまでは、まどかを救う可能性がある世界へは向えなかったと思えたりもするのです。

それでもまどかを救うことを諦めなかったほむらの想いは友情だったのでしょうか?
あらゆる世界でほむらと喜びや苦しみを分かち合い願いを託していたまどかの想いは……
ただ一人の為に世界をやり直すというのは奢りでありエゴでしょう。しかしそれに付き纏う痛みは想像を絶するものであることは間違いありません。
その行為を理解し、受け入れ、個を捨てることになっても信じ抜いて共にあり続けようとする。
どちらの行為も究極、より深いところで結びついた想いを描くラブストーリーであっとように思えます。

とか何とか書いたけど。
やっぱさ、5人で仲良くしてる姿トカ、杏子とさやかが親友になってる姿トカ、まどかとほむほむのきゃっきゃうふふトカ、マミさんとほむらが尊敬しあってる姿トカ、見たかったじゃない?
そういう外伝というかスピンオフというか公式で見たい気がするんですよ。
黙っていても同人ではきっと出るでしょうからっ!(ぉ




■総括
今期最大の話題作『魔法少女まどか★マギカ』(以下“魔まマ”)が遂に最終回を迎えました。
何を書いても蛇足と感じるほどに、近年希に見る傑作となったと思います。そして、魔法少女というジャンルにおいての特異点、数あるアニメの中でもひとつの転換点になった作品でもあるように感じます。

魔法少女といってパッと浮かぶ作品はいくつかあります。クリィミーマミやセーラームーン、カードキャプターさくら、近年だとプリキュアやリリカルなのはなどがそうでしょう。
これらはどれも魔法少女というジャンルに新しい要素を創り出し、少女達が想い描く夢と希望を更に煌かせていった作品の数々だったと思います。
しかし、魔まマは魔法少女というジャンルに於いて当たり前だった夢と希望に疑問を投げかけるところから始まったように思います。
例えば1話のほむらがまどかに日常を説くシーン、例えば2話のさやかがまどかと願い事に悩むシーン、そしてより顕著だったのが3話のマミさんが……のシーン。
その後はもう夢も希望も抱けない、魔法少女が基本そういう作品群だったことさえ忘れるような哀しみと苦しみの連続。一瞬見出した希望は悉く絶望に飲み込まれていくばかり。
これほどまでに救いのない魔法少女モノがあったでしょうか?これほどまでに“笑顔”が描かれない作品があるでしょうか……自分はないと思います。
着地点にまったく救いを見出せない中で、震災という事情もありつつ、1ヶ月の空白からの連続放送。これは偶然ではありますが……最終展開へのハードルを上げつつも一気に畳み掛ける絶大なカタルシスとなりましたね。
最後の最後まで否定されていった夢と希望が、優しさと勇気の大いなる一歩となり、まどかとほむらの絆をより強固なモノと描くことになりました。
やはり魔法少女は夢と希望でできているわけで、それを全否定してしまったら魔法少女でなくなってしまい、魔法少女を描く必要性もなくなってしまうのでしょう。
しかし、甘くないのがこの作品。退屈な日常の大切さを見せ付け、非日常に踏み込んだ魔法少女達には魔女化という呪いはなくなっても大きな代償と背中合わせ。
『夢と希望』は無償の奇跡ではなく、過不足ない対価の証であることを必然の法則として残してありました。無為に『夢と希望』を振り撒くのではなく、必然の中に取り込んでみせたことはすごい変化だと感じます。
……それでも「絶対、大丈夫だよ」の呪文は無敵だと思ってますよ(笑

そして、まどかは魔法少女の呪いを解いて回りましたが、魔法少女まどか★マギカは今後の魔法少女モノに大なり小なり呪いとなるでしょうね。
それぐらいの影響力というか、インパクトを持った作品になってしまったと思うのです。一時期エヴァがそうだったように…まぁそこまではならないとは思いますが……(汗

魔まマで驚嘆すべきはやはりシナリオ展開でしょうね。
日常と非日常の対比、何時何が起きてもおかしくない緊張感、キャラ同士の駆け引き……
そして同時に、映像表現でも大いに独特の世界観を描写してくれたと思います。
終ってみればというか、見返してみれば(見返したわけじゃないけれど)というか、台詞のひとつひとつ、描写のひとつひとつが、連動し複雑に絡み合い因果となっていったように思えます。
それらの考察は、国内外を問わずに展開され、描写の解読や推理に熱狂する姿は驚愕というよりも唖然とするほどに、さまざまなモノが飛び出したなぁと思う次第だったりします。
その熱さは『けいおん!』のときのそれとは全く異質の独特な雰囲気を纏っていたように思います。

また音楽で言えば、あまりにも秀逸だったのはOPのコネクトだと思います。
エピソード0とも思える画、辿り着こうという勢いを感じる曲、どこか哀しみを感じる声、あまりにも世界にリンクしている歌詞……
まったくもって非の打ち所がありません。完璧過ぎてどうしようもないですね(笑
作中のBGMもこれでもかと雰囲気を盛り上げてくれました。
EDはただただ不安感を煽る演出で、夢も希望も打ち砕かれそうでしたケドね……(ぉ

……トカ書いていたら物凄い長文に(汗
まだまだ止まらなくなりそうなので、ここら辺で強制終了とします(笑
兎に角。
これほどまでに超越した作品を生み出してくれた新房昭之監督・虚淵玄さん・うめてんてー・梶浦由紀さんを始めとするスタッフの皆さま、キャラクターに命を吹き込んだキャストの皆さま、その他関係者の皆々様、こんなにも素敵な作品を創り上げてくれてありがとうございました。魔法少女まどか★マギカはきっと神話なんだと思います。
このプロジェクトの今後の展開にも期待をしつつ、個人的には5人の魔法少女の学園モノが見たいなぁなんて何度目かの呟きを記しておきます(笑






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