魔法少女まどか☆マギカ#07の視聴感想です。
さやかの現実。
ほむらの厳しさ。
杏子の過去。
キュゥべえお休み。
まどかの優しさ。
希望を祈れば同じ分だけ絶望が撒き散らされる。
■スタッフ
原作:Magica Quartet/監督:新房昭之/脚本:虚淵玄(ニトロプラス)/キャラクター原案:蒼樹うめ/キャラクターデザイン:岸田隆宏/シリーズディレクター:宮本幸裕/総作画監督:谷口淳一郎・高橋美香/アクションディレクター:阿部 望・神谷智大/プロダクションデザイン:劇団イヌカレー/レイアウト設計:牧孝雄/美術監督:稲葉邦彦/美術設定:大原盛仁/色彩設計:日比野仁・滝沢いづみ/ビジュアルエフェクト:酒井基/撮影監督:江藤慎一郎/編集:松原理恵/音響監督:鶴岡陽太/音響制作:楽音舎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:シャフト/
■キャスト
鹿目まどか:悠木碧/暁美ほむら:斎藤千和/巴マミ:水橋かおり/美樹さやか:喜多村英梨/キュゥべえ:加藤英美里/
■OP
『コネクト』ClariS
■ED
『Magia』Kalafina
■アバン
あの後さやかも魔法少女の真実を知ってしまったようですね。
以前キュゥべえが言っていたように、これまではふたつ返事で魔法少女となる娘ばかりで、こんなにもヤヤコシイ事態になることなぞ皆無だったでしょう。
そして恐らくキュゥべえが発する言葉には嘘はなく、魔女と戦う魔法少女としての必要最低限の説明はしており、この肉体の死のような付随する事柄はあまりにも『些事』なのでしょうね。
キュゥべえからしてみたらまさに「聞かれなかったから」であり、魔法少女を兵器として見たら痛覚ほど邪魔なものはなく、日常を離れたモノとして現実的対処であると言わざるを得ない。
心配なのは肉体の痛みを取り除かれてしまった時、心の痛みにも鈍感になってしまうのではないかということなのですが……そうなったらホント擬似生体兵器になってしまう(汗
それにしても、ソウルジェムを踏みつけ槍に貫かれた痛みを再現したキュゥべえは、さやかを魔法少女として調教しているようにみえたっさ(汗
「戦いの運命を受け入れてまで、キミには叶えたい願いがあったのだろう?
それは間違いなく実現したじゃないか」
契約前は甘言満載だったのに、契約後は突き放したぁ!アバンのキュゥべえまさに悪徳商法!笑うセールスマンも吃驚だぁ!!(マテ
■Aパート
翌日学校を休んださやか。ベッドの中で己の魂を手に、何を思う……
怒涛のような現実に、これまでの日常との決別を突きつけられた感じだろうなぁ……
ほむらにいろいろと訊ねるまどかだけど……
もし『死』のことを話したとしてまどかたちは信じることができただろうか?
恐らく、マミは聞く耳を持たず、さやかは一笑に付しただろうね。まどかは引っ掛かりは覚えても重要視しなかったろうなぁ。
「アイツは“酷い”とさえ思っていない。人間の価値観の通用しない生き物だから。
何もかも奇跡の正当な対価だと、そう言い張るだけよ」
さすがほむらさん、よく分かってらっしゃる。実際さやかにそう言ってました(汗
キュゥべえは悪意を持たず無邪気さ故の残酷さで奇跡の安売りをしている感じ。そんな謎生物の価値観が人間と同じ訳がないですよね……
そして『奇跡』の意味。まさにほむらちゃんの言うとおり!ここまで真実を知らなかったマミも奇跡と対価については強く言っておりました。あ…でも最終的には奇跡はケーキでとなりましたっけ(苦笑
そういえば『日常の大切さ』と『非日常の誘惑』をほむらは当初から警告していたんですよね。ここにきてその言葉が現実となってまどかたちを呑み込んでいます。
「感謝と責任を混同してはダメよ」
「ほむらちゃん…どうしていつも冷たいの?」
ほむらは冷たいのではなく厳しいだけだって!そしてまどかのことを守ろうと必死なんだって!!
ホントに冷たいなら話なんて聞いてくれないよ!これまで何度助けられたのさ!!
この厳しさがあるからまどかは現実を整理し気持ちを保ってられるんだと思うぞっ!
「そうね…きっともう人間じゃないからかもね……」
そんな哀しいこと言わせちゃダメだろう…まどからしくもない……まぁまどかもテンパってるのは分かるけど。
たった独りで辛い真実を抱えて、幾人もの魔法少女の死を見詰めて、それでもここにいる彼女を責めないで!(哀
「いつまでもしょぼくれてんじゃねーぞっボンクラ〜」
なんだろう。さやかを呼び出す杏子がこれまでにないほど優しげに感じるぞっ。
どうやら杏子は知りえた現実を受け入れた上で、これまで通りやっていくと決めたようですね。
それに彼女なりのアドバイスまで言ったりして……どうしちゃったの!?(えー
そんなことを話しながらさやかを連れ出した先は廃墟となった教会。
杏子が食べ物を渡すのって気に入った証なのかしら?でもさやかはそれを投げ捨てて…その瞬間杏子激怒!
「食いものを粗末にするんじゃねぇ……殺すぞ!!」
これぞ杏子です!やはり食べ物で苦労した過去が……まぁこれはさやかが悪いよなぁ。こんなことすると勿体無いお化けが出るぞっ(マテ
そして杏子の昔語りに――
人のために尽くしていた熱心な宗教家だった父。しかし優し過ぎたが為に教義外の言動を行い、信者も離れていき挙句破門。
どんなに正しいことも当然の行いさえも、世間は鼻つまみ者扱いをしていき、食べる物にも困るようになっていった。
父の話に耳を傾けない世間に憤りを感じ続けていた杏子の前に現れたキュゥべえ。願いは『みんなが親父の話を真面目に聞いてくれますように』と。
しかし…全てが上手く回り始めたと思った時、全ては魔法の結果だと父は知り、杏子を魔女と罵り、そして……杏子を残し無理心中を計った!!
まぁ信者が信じているのは宗教家個人ではなく、その裏付けである教義だろうからなぁ。他の行動が目立つようになれば、残念ながらただの怪しい胡散臭い人物になってしまうのは仕方ないか……
それに自分の正義を信じてくれていると思っていた娘が、異形の力で人心を操っていたとなれば、裏切られたように感じて心の根幹が崩れ壊れてしまうのも頷けます。
それにしても、あの人形はこの話の為に杏子がせっせと作ったのかしら。だとすると…なんて可愛らしいヤツなんだっ♪
「他人の都合を知りもせず、勝手な願い事をした所為で、結局誰もが不幸になった。
その時、心に誓ったんだよ。もう二度と他人の為に魔法を使ったりしない。この力は全て自分の為だけに使いきるって」
だから杏子はさやかに突っ掛かっていったのか…まるで昔の自分を見ているようで……
この杏子の言葉はマミの「他人の為の契約云々〜」に通じますよね。実際失敗してしまった杏子の言葉は、今現在危うく失敗しそうな所にいるさやかにどう響くのか……
■Bパート
「奇跡ってのはタダじゃないんだ。希望を祈れば、それと同じ分だけの絶望が撒き散らされる。
そうやって差し引きをゼロにして、世の中のバランスは成り立っているんだよ」
現実を覆す強大な確率変動は世界からしっぺ返しを喰らうということかぁーーーっ!
それって奇跡で願いを叶えてもどこかで帳消しにする事象が起こるってことじゃないのかしら?かしら??(汗
杏子の言葉は絶望を味わった実体験からさやかを想っての言葉なんだけど……
「この力は使い方次第で幾らでも素晴らしいモノにできるはずだから」
さやかは杏子への誤解は謝罪しつつも、セイギノミカタとして、希望を信じて、頑なに理想を捨てないよう。
それはきっと、杏子の言葉を全て認めてしまえば自分が願った奇跡さえも無と同意になってしまうからでしょうね。
現実への絶望の差がりんごの入手法に現れたように思える。
対価を払わず入手したりんごは決して認められることではない。そこまでさやかは堕ちたくはないのでしょう。
でも…払った対価の大きさに気付かないさやかが目を逸らしている下心はどうなのだろう……
杏子は杏子でさやかの指摘に驚愕したことで、絶望からほんの少しだけ上向いたようにも見えましたね。
結局、さやかは杏子と決別した訳ですが…杏子はさやかが絶望を味わうであろうことが苛立たしいのでしょうね。
翌日登校してきたさやか。明らかに空元気だぁ…絶対平気じゃねぇ……
さらに上條くんも登校してきていて……毎日のようにお見舞いに来てくれていた幼馴染にやっぱり何の連絡もなしなのかいっ!(汗
追い討ちを掛けるように仁美が『上条くんお慕い宣言』だとぉ!各所で実しやかに囁かれていた可能性が現実に!?(えー
でもなぁ、逡巡するさやかをチラ見した仁美からすると敢えて煽って背中を押したようにも感じるんだよなぁ……さぁどっち!?
う〜む…足取り重そうなさやかと変わらず軽やかステップのキュゥべえがなんとも(汗
さやかを待っていたまどかの心からの優しさに触れ結界崩壊!想いが溢れてしまう!!
一瞬魔が差したような仁美への憎しみ、魔法少女になったことへの後悔、マミを裏切るような心の動き、それらはセイギノミカタ失格ということ……
これがさやかに襲い掛かった逆凪の一端なのでしょう。襲い掛かった絶望にまどかの腕の中で泣きじゃくるしかなく……
そして、一応の落ち着きを取り戻しパトロールに向かったまどかとさやかですけど……
さやかと魔女の戦いを結界の外で見守る杏子。ほむらは杏子の別の一面を意外そうに感じていますね。
しかし、さやかの戦いの様子がおかしい?梃子摺っているようで、思わず杏子は手助けに飛び出した!そこまでさやかに感情移入しちゃってるのか……ホント意外だ(ぉ
結界の中のさやかの戦いは…心を表すように影絵となっていて…暴走!その姿はまるで狂戦士のよう……!!
爪弾くギターの音色が哀しげで…楽器の音が重なるごとに痛みが増していくようで……
狂笑し…身体の損傷も省みず……死人であることをイチイチ確認するように………
その悲痛な姿にまどかの叫びは空に掻き消え…さやかには届かない……
「アッハッハッハ。ホントだぁ。その気になれば痛みなんて、エヘッ、フフッ、アッハッハッハッハァ!完全に消しちゃえるんだぁ」
「やめて…もう……やめてぇ………」
頬を伝う雫は…血かそれとも涙なのか……
心が…魂が……壊れていく………
■予告
イラスト『天杉貴志』
貴女たちとは違う魔法少女になると決めた。
絶対に見返りなんて求めない。自分の為に魔法は使わない!
OPのようなまどか、さやか、マミが揃った姿はもう見られない。
ならば…まどか、さやか、杏子が揃う姿を見ることはできるのか……
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
いやぁまさかここまで杏子がデレるとは思わなかったなぁ(笑
今回唯一のほっとした出来事じゃないかしら…まさか杏子で安らぐことになろうとは(ぉ
何も知らずに乗り込んできたは殺る気満々でしたけどねぇ。さやかの願いや状況を知るにつれて無意識に加減していたんじゃなかろうか。
いつかの自分に重なる姿と衝撃の『死』の事実。魔法少女になりたての甘ちゃんが突きつけられた現実を放っておくことはできなかったのでしょうね。
杏子が語った『奇跡』の論理が興味深かったですね。
作用と反作用というか等価交換というか…過ぎたる力は必ず何処かに大きな副作用を発現させる。
例えばハガレンの人体練成、例えば型月作品のの抑止力、ハルヒでも長門がそんなことを言ってましたなぁ……
奇跡により「撒き散らされる絶望」というのは杏子が魔法少女として見てきた体験的発言なのか、キュゥべえも認めるところなのか気になるわけです。
もし、キュゥべえも認めるのなら、自分の願いにより死人になるドコロではなく、他者までもを巻き込む事態となります。それこそ言ってくれないとヤヴァイ条件じゃないでしょーかっ!……まぁヤツは言わないんだろうけどさぁ(汗
さやかが望んだ奇跡で撒き散らされた絶望が仁美の件だけとは思えません。それ自体まだ真相は分からない。本当に絶望が撒き散らされるなら、奇跡の当事者である上条くんを中心として奇跡を無にするような何かが起こるのではな以下と思います。
忘れてはいけないことだけども、彼女たちはみんな中学生なのですよね。
情報過多に晒され現実の不条理を見聞きしていたとしても、人々の善意を、世界の優しさを、信じている子供なのです。
しかし、彼女等の現実は容赦なく押し寄せ理想を飲み込み、嘲笑うように残酷さを見せ付けます。それでも生きていくにはシタタカさが必要なのです。狂気のような現実と折り合いを付け安穏と生きていくか、それでも膝を折らず理想を見据え続けるしなやかさを求めるのか。
その狭間でさやかは……理想を、善意を、正義を、無邪気に信じ続けていました。しかしその信仰には何処か狂気を孕み、願った奇跡の先には目を逸らした下心を持ち続けていたはず。それは否定したとしても、当然の欲求であったと思うのです。
まだまだ子供である中学生に世界をひっくり返すような無慈悲な決断をしろという事態が酷であり、見返りを求めないという理想に隠れた欲求も仕方のないことでしょう。それでも理想を目指し続けたさやかは褒められこそすれ否定されていいはずがない。
しかし、マミさんはソウルジェムの真実を知らずとも、奇跡と対価と魔法少女の運命について問い続けていましたね。特に『他人の為の契約』はより慎重に考えなければいけないと。
こう考えていくと、ホント希望に溢れた少女たちになんて過酷で絶望的な運命を背負わせるのかと思うのです。
もしかすると、マミさんと杏子は対極の魔法少女に見えて、経験者として奇跡と契約に対する考え方はそんなに違わないのかもと思えてきました。
そうなってくると、マミさんと杏子とほむらの三者会談というのも見てみたかったなぁ……なんて思ったり(笑
http://blog.livedoor.jp/kansaianime/archives/51744121.html
http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51691634.html
http://blog.livedoor.jp/katsux2/archives/51689429.html
http://haruhiism.blogism.jp/archives/52093453.html
http://blog.livedoor.jp/nylon66/archives/51606529.html